運動療法
糖尿病とのお付き合い
プールの中を歩いているヒトをよく見かけますが、あれも水中運動の一つです。近年、水泳だけはなく、水中運動も生活習慣病の予防に良いと言われ、運動人口が急増しています。そのインストラクターを教育するのが私の仕事です。全くお恥ずかしい話しですが、その私自身が糖尿病になってしまったのです。母方の家系に糖尿病のヒトが多いので多少遺伝的な因子もあるとは思いますが、基本的に私自身の不規則な生活様式と暴飲暴食が招いた結果だと思っています。

実は、数年前、健康診断を受けた時、血糖値130 mg/dl前後、糖尿病の“疑い“があるとかで精密検査を薦められました。しかし、なまじ健康と体力に自信があっただけに少し泳げば<そのうち治るに違いない>と軽く考えていました。確かに、その後、事務所近くのスポーツクラブへ入会。週1回程度は泳ぐようになりましたが、なまじ運動していることが自分への“言い訳”になり、以前よりも食べる量も増え、逆効果だったのではと思っています。そして、今春(2001年3月)、再び健康診断を受けた時、血糖値245mg/dl、立派な糖尿病になっていました。健診結果の報告では「直ぐに治療が必要です」と医師より宣告されました。そう言われてみると、昨年秋頃から、体重が減少。実はこれも泳ぎ出した結果だと誤解していたのです。

その他、足の痺れ・冷えなど下半身の微妙な変化がありました。早速、糖尿病に関する本を数冊買い込み、読んでみました。糖尿病の恐ろしさを知れば知るほど、背筋がゾーッとする思いがしました。体重計と血圧計を購入。覚えたてのインターネットで血糖測定器まで通信販売で購入。コレで良し。測定を欠かさず行えば<そのうち治るに違いない>とこれまた勝手に思い込んでしまいました。確かに、その後、毎朝測定。禁煙。そして、ほぼ毎晩スポーツクラブへ通い、以前より本腰を入れ始めました。しかし、血糖値は200 mg/dl前後でほとんど変化なし。なまじ運動していることを口実に食べる。そして、血糖値は安定するどころか逆に上昇。次第に自信がなくなり、やっぱり専門医へ相談しなければダメだと痛感しました。再びインターネットで探し、事務所からそれほど遠くない松葉医院(川崎市幸区)へ辿り着いたわけです。

初診は4月26日でした。血糖値220mg/dl。Hb(ヘモグロビン)A1cはなんと12.7%でした。それから月1〜2回の定期的な通院が始まりました。松葉医院は糖尿病治療で全国的に有名なだけあって、先生の適切な診断を軸にキメ細やかな栄養指導と運動指導。まさに専門家集団です。私も毎朝、体重・血圧・血糖を測定してグラフを作成。食事もチェック。運動は最低週3回。1回のフルコースはスイミング30分、ウエイト30分、計1時間。帰宅時はウォーキング1時間。私の病状は急速に回復へと向かい出しました。特に毎朝、血糖値の測定は生活様式全般をチェックする意識改革となり、とても効果的だと思っています。例えば、どんなに食事と運動に注意していても、夜、少しお酒を飲むだけで、翌朝の血糖値は確実に急増すること。運動前に軽い食事をすると血糖値が安定すること。などなど、日々、血糖値を測定することで知り得たことが多々あります。私は仕事の都合で海外出張が多く、帰国する度に血糖値が高くなり、外国での食事に特に気をつけるようになりました。そして、世界中、どこでも簡単に入手できるクラッカー&ミルクそしてピーナッツが私の日常食になりました。ちなみに、最近(11月9日)では血糖値164mg/dl、HbA1cは6.9%。専門医の助言と励ましが心の支えですが、これからが難しいのだと思います。一病息災。糖尿病と上手にお付き合いして行こうと思っております。

1日1万歩って?
「1日1万歩って?」想像もつきませんでした。自分が一日何歩歩いているのかなんて数えたこともなければ、学生時代も運動部に所属したこともなく、人生において運動の習慣というものは、まるでありません。唯一、歩くといえば通勤くらいのものですが、家から最寄り駅までは、徒歩10分とかからず運動とは言えません。しかも、仕事をしながら、新しく運動する時間をどうやって作っていこうか悩みました。とりあえず、かたちから入るということで、万歩計とウォーキング用の靴を購入して、通勤は、隣の駅を利用することにしましたが、それでも徒歩15分、2000歩もいきません。これでは、有酸素運動の効果があまり期待できません。何とか延ばそうといろいろと道をためして徐徐に歩数を延ばしていきました。近道を探すのではなく遠回りの道を探すのは工夫がいります。なにしろ、遠回りしすぎて遅刻してしまっては意味がありませんから。いろいろ試してみた結果20分、約3000歩のコースを行き帰り利用するようにしました。

これなら、10分早起きして、10分帰りが遅くなる程度ですので無理なく生活に取り入れることができる範囲です。しかし、休日は、本格的な運動として、多摩川緑地をガス橋から多摩川大橋の間、往復で約4キロを40分、5000歩程度を1日2回歩くようにしました。橋から橋の間は目標がハッキリ見えるのでとても歩きやすいのです。また、雨の日は、川崎で途中下車して地下街を歩いています。連続して歩ける時間がどうしても短くなってしまいますので、階段を上り下りしてメリハリをつけています。そのほか、今まで自転車でいっていたような所も歩いていくようにして、どこまでが何分、何歩といろいろ測定していき、まさに体に覚え込ませていきました。でも、ひさしぶり自転車に乗ってみたら足が痛くなってしまいました。たまには別の筋肉も使わなければいけないことがわかりました。それからは、昼休みに階段の上り下りをやってみたり、ストレッチや筋肉トレーニングの種類や時間を増やしていきました。はじめから今の運動量をこなせたかといえば、たぶん無理だったでしょう。徐徐に増やしていったからなんとかなったと思います。また、体重や体脂肪の増減にあわせて運動量を調整することも忘れてはなりません。無理せず、継続してできるよう工夫していくことが大切だと思います。

毎日、歩く
松葉医院にて血液検査をしていただきました。その結果がHbA1c6.0とでました。これは大変困ったことになった、どうしようかと思いましたところ、運動と栄養のアドバイスが受けられるとのことで、その月の末に受けました。

以前より都合の良い時刻に30分程度の散歩を続けておりましたが、万歩計は付けていませんでしたので、一日にどのくらいの歩数を歩いていたのか全くわかりませんでした。アドバイスを受け、食後30分位から血糖が上がってくるので、その頃から歩くのが効率の良い方法と教わり、万歩計を付けて天気の良い日は一日一万歩以上になるように歩きました。体重の方も少しずつ減ってきましたが、六月に入って右膝の裏側に痛みを感じ、二日ほどしたらふくらはぎのほうまで痛くなり整形外科に行ったところ軟骨が減ってきているとのことでえした。歩けなくなっては困るので病院に相談したところ、水中歩行なら行っても良いといわれ、水中歩行を始めました。

今は一週間に四日一時間位ずつ、夜は家で、ストレッチやダンベルを5分くらいずつ行い、水中歩行も、散歩も一日の生活の一部として摂り入れ、楽しみながら行っております。

食事の方は、毎日きちんと三回摂り、その内容を書き留め、塩分・砂糖類はカロリーをカットしてあるものを使い、野菜中心にしています。アドバイスを受ける都度不足がちの栄養素とか、少しでもカロリーを抑える方法を教えてもらい、今ではHbA1cも5.4になり血糖値も100前後です。

毎日の運動と食事の記録を書き留めながら、今よりも少しずつでも値を少なくなるように努力していきたいと思っています。

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