開業医での私の栄養相談の取り組み

糖尿病食を楽しむ会

松葉医院 管理栄養士 田邊弘子

当院では外来通院の栄養指導を行っているが栄養相談者の9割以上が糖尿病の患者さんです。病歴は0〜30数年と幅が広く,年齢層も各層にわたっていますが高齢者や通勤先からの来院者も多くみえます。彼らの自己管理の援助には,様々な生活環境や療養歴・糖尿病および食事療法理解度を探りながら,信頼関係の樹立と個々人に合わせたきめ細かいアプローチが求められます。試行錯誤を繰り返しながら,「個人指導」・「当院での調理実習を含む集団指導」・「他の医療機関との合同の糖尿病教室『糖尿病食を楽しむ会』」を行っていますので,その現況を報告します。

「個人指導」

私は,非常勤なので患者側が継続して栄養相談に来院できるように,曜日の分散と開業時間に合わせ,平日は10名・土曜日9名の予約体制であたっています。時間は約30分の時間を原則として対応していますが、初回の方はなるべく多く時間が取れるよう2コマまたは,休憩時間も利用します。

また、予約票を患者側に渡し,予約ノートに記載します。

初回は特に下記の項目について配慮します。

●現在の状況・自己管理の必要性・今後の予定を伝える。

●[聞き取り]を中心に患者背景・理解度・患者本人の希望や本人(家族)の疑問点・不安な想いなどニーズを把握する。

●状況により1〜2点改善項目を一緒に探り,次回来所まで本人が出来ることの目標を立て本人の同意を求める。

●出来る範囲での食事記録・生活活動状況記録を依頼する。

●体重・体脂肪計測を記録する。その際,体重変動・脱水の予防は初回に限らず毎回確認伝達する。

2回目は、理解度を確認しながら下記項目を話し合います。

●変化の確認と今後の進め方の具体的方法を検討。

●指示エネルギー量の交換表による配分例を参考にして、主食・主菜・副菜を核に食事記録・生活記録からエネルギー量及び栄養摂取状況の過不足の可能性と問題点を一緒に探る。

●エネルギー量管理は食品交換表の利用に限らず,方法をいくつか提案して選んでいただく。

●日常生活での全般を何が出来るかを考え具体策を一緒に検討。

3回目以降は、今までの再確認と下記項目を重点に進めます。

●その後の状況に合わせ,問題点の拾い出し・具体策の再検討・目標の再設定など患者側と一緒に考えることを基本とし、自己管理が継続・確認できるようにアプローチを繰り返す。

●場合によりサプリメントを含めた様々な情報提供をする。

●必要に応じて様々な資料やアイテムを利用。

記録は,アセスメント票・初回外来栄養相談記録票・継続栄養相談記録票に記入します。

「当院での調理実習を含む集団指導」は年に数回ですが,2〜3人対象で,買い物を通しての実習や目的に合わせ、調理手技の体験から実生活への導入を図ります。集団指導であっても個人対応を重視するように心がけています。


「他の医療機関との合同の糖尿病教室『糖尿病食を楽しむ会』」は,今年度に4回目を実施いたしましたが,テーマにそって調理実習を通した体験学習及び,情報の提供,親睦を深めるのを目的としています。毎回先生方をはじめ,管理栄養士の仲間の協力・業者の方々の協力もあって、人力をカバーできたおかげで,集団指導の場においても,個人対応ができました。この会で新たに準備した資料は,「個人指導」の場でも使います。