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インスリン抵抗性からみた糖尿病と肥満

                         松葉医院 松葉育郎 

 糖尿病と肥満はつきものである。最近は、インスリン抵抗性という言葉が頻繁に聞かれるようになった。ふと、考えてみると、みなさんは、このインスリン抵抗性という言葉から、何を思い浮かべ、イメージしてるのでしょうか?インスリン抵抗性=肥満という図式は、よく理解されている。現在、または過去に肥満を伴うことが糖尿病の過半数には認められるという。肥満を解消して、標準体重へ少しでもちかずけることを、どの段階の患者さんでも、糖尿病療養の治療の到達目標として挙げなければならない。ありふれたことを、今さらと思われるでしょうが、敢えて、強調しておきたい。絶えず、過体重があれば、標準体重+10%までは、または、数Kgでもいいから、正確には余剰な体脂肪をすこしでも減らすことに努力したい。この成功の鍵を担うのは、食事・運動療法を中心に生活指導を担うCDEJの役割によるところが大きい。

 脂肪組織は、従来は余剰エネルギーの貯蔵場所として考えられていましたが、近年はホルモンを作り出す重要な内分泌器官としても注目されており、TNFαやレプチン、最近発見されたレジスチンやアディポネクチンなどの産生に関与することが知られている。脂肪はエネルギー貯蔵の役割だけでなく、脂肪そのものの貯蔵、またはインスリン感受性(抵抗性)をコントロールする物質を分泌することがあきらかになってきました。

 私達がなぜ太るのかを考えてみると、倹約遺伝子説があげられます。人類の歴史の99%は飢餓との戦いでした。その飢餓を乗り越えて、子孫を残すため、進化の過程で余分なエネルギーを蓄える能力を持つよう遺伝子が淘汰されてきたのです。つまり、太る人間は進化し、サバイバル能力に優れているということであり、つまり、私達は基本的に余分なエネルギーを溜め込むように身体に遺伝子が組み込まれているということなのです。ここに、一筋縄ではいかない糖尿病の難しさがあり、サバイバルとしての内臓脂肪蓄積、肥満、糖尿病へという流れがたちはだかることになります。

肥満のある患者さんが、体重を減らしても、また、すぐに体重が増えてしまうことは、

皆さんも、よく経験するのではないでしょうか?当院では、人工膵臓によるインスリン抵抗性の測定(正常血糖高インスリンクランプ法)を施行している。その検討から、肥満を解消して、HbA1cを正常にしても、末梢組織での糖利用は低下しており、インスリン抵抗性は簡単には改善しないことがわかっている。インスリン抵抗性を改善するためには、少しでも、余剰脂肪組織を減らすことが重要で、体重管理でなく体脂肪管理を徹底し、再認識していく生活指導を期待したい。   (CDEJ機関紙、2007年、4月、掲載)
 

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