糖尿病についてのページ

開業医における糖尿病治療・療養支援の展望

 1997年に厚生労働省が実施した糖尿病実態調査によれば、糖尿病が強く疑われる人が全国に690万人おり、糖尿病の可能性を否定できない人とあわせると1370万人いるといわれている。しかし、1999年の患者調査では212万人しか治療を受けていないという結果となっている。このような現状の中、我々開業医はこのような糖尿病潜在患者に対して、どのようにアプローチをし、対応していけばよいのか、糖尿病治療に専門的に取り組んでいる3名の先生に語っていただいた。

糖尿病セミナーから糖尿病ネット・療養指導士まで

 保険医協会がはじめた「医師およびコ・メディカルスタッフのための糖尿病セミナー」は今年で23回目を迎えました。糖尿病治療は、医師だけでなくコ・メディカルスタッフを含めたチーム医療として行っていくことが大切です。その意味では近年の糖尿病セミナーでは、日本糖尿病療養指導士(以下、CDEJ)の認定単位を取得できるようにし、コ・メディカルの研修に力を入れています。しかし、CDEJは、糖尿病専門医がいる施設の従事者でないとその受験資格すらないのが現状です。そのため各地で地域糖尿病療養指導士の資格を立ち上げが始まっています。神奈川においても糖尿病の研究会や糖尿病療養支援に関わるスタッフ教育を行っている10の研究会や団体が協力して神奈川糖尿病療養指導士認定機構を立ち上げ、3月に第一回神奈川糖尿病医療養指導士(以下、KLCDE)の認定申請受付を開始することになっています。

 また、糖尿病患者は年々増えつづけています。潜在患者は、現在治療を行っている患者の5倍はいるといわれています。その中で、潜在患者を掘り起こして増えつづける患者の治療について質を確保しながら行っていくには、開業医が力を合わせて行っていくことが必要です。そのために保険医協会では神奈川糖尿病ネットワークを立ち上げています。

 糖尿病セミナーでスタッフ研修を行い、それらのスタッフがCDEJやKLCDEの資格を取得して、糖尿病ネットワークのデータベースに先生方の治療内容のほかに、スタッフの状況も加わると、患者を通じた診診連携もよりスムーズになると思います。是非これらのシステムをご利用いただいて、糖尿病患者の治療を行っていきましょう。

糖尿病ネットワークに参加しよう!

保険医協会として神奈川糖尿病ネットワーク(以下、DMネット)を立ち上げました。現在、約500名の会員が登録をしています。DMネットでは、糖尿病治療を実践している先生方をデータベースに登録することにより、開業医が協力し合って、糖尿病患者の治療に対応できるようにしています。

例えば、内科の医師が糖尿病性網膜症の治療を眼科医に依頼したい時に、データベースを利用すれば、地域ごとに対応できる眼科医を検索できます。また、糖尿病の専門医が遠距離から通ってきている患者を症状が安定した後、患者の居住地の近隣医師に送ることもできます。またその逆でHbA1cの値が悪くなって不安定になった場合、専門医に送り、状態が安定したら主治医に戻すということも安心してできるでしょう。

さらに、データベースについては、保健所や健診機関、大学病院などに公開していくことにしています。これにより健診で発見された糖尿病患者をどの施設に送るか、大学病院から地域のどの施設に返すかと選定に困っていることに対し、十分対応できることになります。

その意味では、神奈川糖尿病ネットワークデータベースにご登録いただき、先生方の糖尿病治療戦略にお役立ていただければと思います。

神奈川糖尿病ネットワークデータベース

URL http://www.hoken-i.co.jp/members/dj/

松葉先生 神奈川糖尿病療養指導士の資格取得のお勧めと紹介

糖尿病の治療、患者さんの療養生活を円滑に行うに、医師、コ・メディカルによるチーム医療の中で実践していかなければ十分な効果を期待できません。また、糖尿病専門医のみならず、糖尿病を診察する一般医の医療機関にも糖尿病療養指導に習熟したコ・メディカルがいれば、スムーズな診療が行えます。現在、日本糖尿病療養指導士認定機構があり、日本糖尿病療養指導士(CDEJ)の認定試験や研修会を行っていますが、CDEJはその受験資格が厳しく、薬局勤務の薬剤師や糖尿病専門医がいない施設で従事しているコ・メディカルには、その機会さえありません。そこでCDEJの受験機会が無いコ・メディカルのモチベーションや質を上げ、激増する糖尿病患者への対策の一翼を担うことを目的とし、このたび「神奈川糖尿病療養指導士認定機構」を立ち上げ、3月に第1回の認定申請を受け付けることになりました。

KLCDEの特徴は、専門資格のコ・メディカルスタッフだけでなく、福祉施設で介護に従事する方や事務系スタッフにも門戸を広げている点です。また、試験は無く、規定の単位数分の研修を受けることと糖尿病療養支援に関わる作文を書いていただくことで申請ができます。認定委員会での審査を通過した場合に、KLCDEの資格を取得することができます。研修につきましては、発起団体が研修会を随時開催しているので、ホームページをご確認の上、受講してください。

また、KLCDEの資格を持つスタッフが施設にいれば、患者さんも安心感が生まれるでしょう。先生方におかれましては、スタッフの方々にKLCDEの資格取得をお勧めいただきますようよろしくお願い致します。   (保険医協会新聞、2007年、掲載)

URL http://www.klcde.jp/

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